吉村竜児が出来るまで その5 ~父の入院

みなさんこんにちは^^
こころメンテナンス・インストラクターの吉村竜児です。

今回は父と二人暮で暮らしていた頃の話ですが、
頭の中で断片的な記憶がごちゃごちゃと入り乱れていて、
時系列もはっきりしていない部分の話です。

上手く書けるかどうかわかりませんが、この後の人生に
大きく影響してくる事柄も含まれているので、
がんばって思い出しながら書いていこうと思います^^

それでは、今しばしお付き合いください♪^^

小学四年生の冬休みだったか、五年生になる前の春休みだったかはっきりしないのですが、
二人でスキーツアーに参加していた時に、父が転んで脚をひねってしまい、
入院したことがありました。

そして、退院後もなぜか検査入院を繰り返すようになりました。

その間、ぼくは近くに住んでいた父方の親戚に預けられたり
知り合いの家に世話になったりしていました。

父の暴力からしばらく逃れられることで、少しほっとしていたぼくですが、
父方の親戚の家にはあまり馴染めなくて、居心地の悪い思いをしていました。

しかし、何軒かの家に世話になってみると、よその家のお父さんたちは
「自分の子供に対してかなりやさしい」ということを知って愕然としました。

父はよく

「お父さんはお前のことを本当に思っているからきびしくしているんだ」

「子供に甘い顔をしている父親は本当は子供のことを大事に思っていないんだぞ」

みたいなことを言っていました。

ぼくはそれを真に受けていたので、始めの頃は

「この家のお父さんは子供のことを大事に思っていないのか!」

と思って心配になっていましたが、家の中の雰囲気も明るくて、
どう見ても家族がみんな幸せそうでした。

しかも、それは一軒だけではなくて、二軒も三軒もそういう家が現れて来ると、
だんだんと

「おかしな事を言っているのはうちのお父さんの方なんじゃないか?」

と思うようになっていきました。

そして、検査入院が長引くようになってくると、さすがに知り合いの家に
世話になることは出来ず、父方の親戚の家族ともあまりウマが合わなかったこともあり、
ぼくは一人で家で暮らすことになりました。

とはいえ、小4か5ぐらいの子供が完全に一人で暮らすことは出来ないので、
最初のうちは母方の祖母が食事を用意しに来てくれるようになり、その後は
大学生のお兄さんが住み込みのアルバイトで面倒を見てくれるようになりました。

このお兄さんはとても優しい人で、今では名前も思い出せませんが、
この人の存在にはとても救われました。

お兄さんはぼくの話をよく聴いてくれました。

ぼくが父から一切お小遣いをもらっていなかったことを聞いて
とてもおどろいて、祖母に交渉してくれたため、ぼくはお小遣いを
もらうことが出来るようになりました。

もちろん、それは父が入院している間だけでしたが^^;

お兄さんから、お小遣いを積み立てて高い買い物をする事を教えてもらって、
宇宙戦艦ヤマトのプラモデルを買った時は本当に嬉しかったです。

このようにして、父が家にいる時と入院している時の落差はますます広がっていきました。

そんなある日父が神妙な顔をしてぼくに

「病院での検査で、お父さんは筋ジストロフィーという病気にかかっている事がわかった」

と告げました。

筋ジストロフィーは原因不明の難病で、筋肉が萎縮して体を動かせなくなっていく病気です。

症状が下半身だけに出るというケースもあり、その場合は車いすで生活することにはなりますが、
命に別状はない場合も多々あります。

ただ、父のケースでは全身に症状が現れていたため、動き回るどころか、
そのうちに喋ることも出来なくなり、最終的には呼吸も出来なくなって
死亡することになります。

「病院からはすぐに入院するようにと言われたけど、
お父さんは入院しないでがんばってみようと思う」

努めて無表情で「うん、うん」と相づちだけ打ちながら話を聞いていたぼくの頭の中では

「これはきっと今までぼくに散々ひどいことをしてきた罰だ」

「お父さんなんかずっと入院してたらいいんだ」

といった怒りや恨みの思いが駆け巡り、ぼくの胸の辺りにわき上がっていた寂しさや悲しさや、
父を思いやる気持ちを、どこか遠く、心の奥の深い深いところへと追いやっていきました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました^^

うーん、今回もまた書ききれていないところが出てきてしまったので、
当初その3で書こうと思っていた内容は、その6まで続きそうです。

父と二人暮らししていた頃のことは、もう過ぎた話だと思って
あまり記憶にアクセスしてきませんでしたが、思っていた以上に
いろいろ出てきて、ちょっと休憩が必要になってしまいました^^;

これを1エントリーで全部書こうと思っていたって事は、
かなり認識が甘かったみたいです^^;

今回の話を書くのは、思っていた以上にエネルギーを消耗しましたが、
たぶんこの頃の話の中では一番険しい山をひとつ越えたと思うので、
次回以降はもうちょっと楽に書けそうな気がします♪

そんなわけで、次回もよろしくお願いします☆^^