
脳科学では日夜様々な議論が展開されています。
実生活に直接役に立つような技術につながるものや人間の心理について探求するものもあります。
科学なのでもちろん根拠や数字を基に展開しています。
しかし、脳科学でも未だに解明できないものは多いです。
その一つが人間の思い込みによる力です。
人は思い込みをすることでプラスにもマイナスにもなります。
それはやはり脳科学でも説明しきれないものがあります。
そんな思い込みの力について、脳科学の視点から解説していきたいと思います。
思い込みの力の強さとは?
思い込みがいかに我々に影響を与えるのか?
その一端を知っていただきたいと思います。
思い込みというのは精神の世界だけではなく、実際の能力や状態にも密接に関わります。
腕立て伏せを何回できますか?
と人に聞かれたときにどう答えるか。
できる回数を答えていると思ってしまいます。
例えば、20回と答えた人は20回しかできないと思っていると思います。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
実際は腕には30回できる筋力があるのにも関わらず、20回と思い込みをしてしまうことで限界を決めてしまっているのではないでしょうか?
その可能性は大いにあります。
思い込みが体に及ぼす影響の最たる例が想像妊娠です。
実際には妊娠をしていないのに、強い思い込みによって本当に妊娠をしたときの体になってしまうことがあります。
これこそ、思い込みの力です。
思い込むことで脳の反応はどうなっている?
思い込みがなぜ人体に影響を与えるのか?
それは脳機能が関係するという説があります。
これぞ、脳科学の分野ですね。
実際に体の司令塔は脳になります。
なので、体の変化は大抵脳の指令のもと行われていると推測されます。
思い込みによる変化のメカニズムを探るため、1つの例を挙げてみます。
自分は風邪を引いていると思い込むことで体調を本当に崩してしまう人がいます。
大抵の場合、そんなに簡単に体調を崩しませんが、思い込みが強い場合は実際に風邪を引いてしまうことがあります。
風邪を引くということは病原菌が体にあるという状態です。
思い込みにより脳が「今、体は風邪に侵されている」と錯覚するんです。
錯覚した結果、脳は体のあちこちに指令を出します。
風邪のウイルスは温度に弱いので、体温を温めるように呼びかけていきます。
実際にウイルスはいないのに、思い込みで体温が上昇、熱が出たという状態にまでなります。
これこそ、思い込みによる体調異常です。
この他にも例があります。
お年寄りはガンだと申告された瞬間に症状が悪化したということは希にあるようです。
アメリカの研究によると誤診でガンと診断された患者が本当にガンを患ってしまうことがあったようです。
たかが思い込み、されど思い込みです。
思い込みによって人生が左右されるかもしれませんし、人によっては命に関わる可能性があるほど人体に影響を与えてしまうかもしれません。
思い込みも使いよう?
思い込みの悪い例を取り上げましたが、逆にいい例もあります。
思い込むことでできないと思っていることもできるようになるもの。
これまで逆上がりができない子供が思い込みで突然できるようになるということが起こり得ます。
ポジティブシンキングの人に成功者が多いというのはまさに思い込みかもしれません。
自分にもできると思い込むことで、難題をクリアしたり、人間関係も円滑に進められるということでしょう。
思い込みはマイナスに働くイメージがあるかもしれません。
しかし、プラスにも働くことは間違いありません。
思い込み自体が悪いことなのではなく、思い込みとのつきあい方を知らないことで損することがあります。
思い込みを味方につけることが、より良い人生をおくるための鍵かもしれません。